【感想】とんでもスキルで異世界放浪メシ


アニメが面白かったので漫画版を一気読みしてしまった。

異世界転生モノが流行って幾年月、いくつもの作品が世の中だされて久しい。

そして、最近とくに食傷気味になっていた。正直、あらかたパターンも出尽くしただろうと思っていた。そうしたら、まだあった。

 

それがこの
とんでもスキルで異世界放浪メシ
です。

 

きっかけはアマゾンprimeで見たアニメ
何気なくみたら、見事にハマってしまった。


続きが気になって、思わず漫画版をkindleでポチリ。
気がついたら9巻まで一気読みですってよ、あなた。

 


個人的には、異世界冒険譚というより孤独のグルメを観ている感覚に近かった。

食へのあくなき探求心。そして上手そうに食べながらの実況中継。
それだけではなく、この作品は食材集め(笑)から調理まで描いている。エバラの調味料を使った、日本にいればどこででも普通に食べられるような料理を異世界人や魔獣たちが美味い旨いといって貪り食う。これって一種の日本賛歌なわけで、ここら辺もうまく時流にのってるなと思う。

いつも使ってて身近な商品が異世界でも使われてる可笑しみと親近感。

 

異世界転生モノお約束のザマァ展開は今のところない。
正直、いい加減うんざりしていた私には、それがちょうどよかった。
(あくまで漫画版の話です。原作は読んでないのでひょっとしたらあるのかもしれないけど、漫画版の方で話を進めます)
最初に主人公のムコーダと一緒に召喚された3人組の勇者っぽい人たち。この子たちにその要素はあったのだけれど、今後関わってくるのかな?

今のままの、飯テロのんびり冒険譚でいってほしいけどね。個人的には。

 

でも、『俺TUEEE』はちゃんと押さえていて、NPCが苦戦する怪物たちに、ほとんど召喚魔法的な従魔達がこれでもか(主に食料調達的な意味で)と無双するシーンは、読後感がちゃんと『俺TUEEE』になっている。そこらへんのバランス感覚うまし。従魔たちの鬼強さに引いてる主人公ムコーダの姿もユニークでした。

俺TUEEEってオーディエンスのリアクションをどれだけ上手く描写出来るかで、爽快感が変わってくるんですよね。
シチュエーションの作り方も、うまいなぁって思った。

 

そしてネットスーパー。「そのままかよ!」って意外性と可笑しみ。それと最強の伝説の魔獣なのに食いしん坊というギャップ。
みんな美味いもん食べたいよなっていう思いがあるから、妙に納得してしまう。
まあ、エバラ様様なんですけどね。
伝説の料理人とかじゃなくて、平均的な自炊男子の男料理ってのがまた良き。